睡眠時無呼吸症候群
- 2022年5月29日
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皆様いかがお過ごしでしょうか、ながの歯科です。今回は睡眠時無呼吸症候群についてのお話になります。
睡眠時無呼吸症候群とは?
どのような症状?
睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠中の強いいびきと無呼吸状態を繰り返します。そうすると、睡眠が浅くなりがちになり、日中の眠気や起床時の頭痛などを引き起こします。また、症状が長期間にわたると日中の倦怠感や集中力の低下や注意力が散漫となり、居眠りなどによって思わぬ事故を起こすリスクが高くなります。
さらに、成人の睡眠時無呼吸症候群では、高血圧、脳疾患、心疾患が起こる危険性が通常より3~4倍も上昇することが分かっています。特に1時間の睡眠中に無呼吸または低呼吸が30回以上ある重症な場合では、心臓や脳の病気になる危険性が5倍にもなることが明らかになっています。
睡眠時無呼吸症候群の分類
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の無呼吸の原因によって、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と中枢性睡眠時無呼吸(CSA)に分類されます。それぞれの原因は以下の通りです。
●閉塞性睡眠時無呼吸
睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなったり閉塞したりすることによって発症します。
上気道が狭くなったり閉塞したりする主な原因は、肥満より増えた首周りの脂肪です。仰向けの状態で横になると気道を圧迫するため、気道のスペースが狭くなります。
そのほかにも生まれつき舌や扁桃、アデノイドが大きかったり顎自体が小さかったりすることで、横になると舌根沈下(舌の根元が喉に垂れ下がって上気道を狭くする)などが生じやすくなることも大きな原因となります。
成人の睡眠時無呼吸症候群は肥満によるものがほとんどですが、小児ではこのような生まれつきの身体的特徴が原因になることもあります。
また、そのほかにも慢性的な鼻炎や他の鼻の病気によって空気の通り道が狭くなることも原因として考えられます。
●中枢性睡眠時無呼吸
脳、神経の中で呼吸をつかさどる呼吸中枢の異常によって、正常な呼吸運動ができなくなり発症するタイプです。
はっきりとした発症の原因は分からないことも多いですが、心疾患や腎疾患を発症している場合、脳疾患の後遺症、生まれつき脳に奇形がある場合などで発症しやすいとされています。
治療
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、重症度によって次のような治療が行われます。
●経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)
検査で睡眠時1時間あたりに無呼吸や低呼吸になった回数が20回以上で、なおかつ日中に眠気などを自覚しているケースでは、睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げるCPAPが行われます。この治療を行うことで、心疾患や脳疾患などを発症する危険性を通常と同程度まで低下させることが分かっているため、全国的にも広く行われています。
●マウスピース
舌根沈下が原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合は、下顎を前方へ移動させ気道を確保させるようなマウスピースを使用する治療があります。
●手術
小児などに多いアデノイドや扁桃肥大、鼻の奇形などの器質的な異常が原因となっている場合は、扁桃摘出術などその原因を改善するための手術が行われることもあります。
また、肥満などによって気道が狭くなっているケースでは、喉の一部を切除する手術が行われることもあります。
●生活改善
睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、減量を目指した食生活の改善や運動習慣などの生活指導も同時に行います。
お口のお悩みがありましたら、津田沼 藤崎 ながの歯科までご相談ください。