食事後にすぐ歯を磨くのは良い?わるい?
- 2022年8月28日
- ブログ
皆様いかがお過ごしでしょうか、ながの歯科です。
今回は歯磨きをするタイミングについてのお話になります。
ひと昔前までは、歯を磨くタイミングとして言われていたのは『食べたら磨く』というのが当たり前であり、そのイメージが頭にある方がほとんどであると思いますし、学校でも家庭でもそういうふうに教えてもらったと思います。
ところが、近年、別の考え方が出てきており、食後すぐに歯をみがくと、歯の表面が傷つきやすくなり歯を弱めてしまうので、食
後、30分程度時間をおいてから磨いた方がよいという話を耳にします。
はたしてこの話は信じるべきなのでしょうか。
それとも今まで通り、食後すぐに磨いても大丈夫なのでしょうか。
『食事をした後にすぐ歯を磨くと、歯の表面が傷つきやすくなってしまう』というような論文や研究は確かに存在します。
これは歯質が酸にどれだけ耐えられる能力があるのかを調べた実験になります。
実験では炭酸飲料に歯の象牙質(歯の一番表面がエナメル質で、その下の2番目の組織が象牙質)に歯の破片をつけると、象牙質が弱くなるという結果になっています。
この研究でpH(ペーハー)という単位が出てきます。pHは0~14まであり、中性が7で、これより数字が小さくなるほど酸性が強くなり、数字が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
炭酸飲料はpH5くらいの酸性になります。歯にダメージが出やすいpHは5.5以下といわれていますので、炭酸飲料を飲むと歯の表面が溶け、傷つき、歯へのダメージはでやすくなります。
この実験ではさらに、炭酸飲料でダメージを受けた象牙質の破片を、30分以上、口に含んでいると、唾液の力で中和が起こり象牙質が再び強くなる(緩衝作用)という結果が出ています。
実験の結果から、食後30分程度経過してから歯磨きした方が良いと言われるようになったのですが、この実験が示しているのはあくまでも、『炭酸飲料を飲んだ直後に歯を磨くと、歯を傷めやすい』ということです。
しかし、実際の口の中の環境は、実験の環境とは大きく異なります。
炭酸飲料を飲むときにもずっと口の中に含んでいることは、ほとんどの方はしないと思いますし、酸性の食べ物を常時食べているわけでもないですし、さらに言えば象牙質の周囲にはエナメル質があり、象牙質を保護しています。
こうしたことを考慮すると、酸性による歯への影響は、あるかないかで言えば「ある」になりますが、食事後にすぐ歯磨きをすることによるダメージは軽微なものであるように考えます。
なので、口の中の汚れをできるだけ早く落としてあげて、虫歯菌や歯周病菌が増えにくい状態をを保つことのメリットの方が大きいと思います。
酸性の強いものを飲食した直後に歯磨きをするのは避けてもよいかと思いますが、普通に食事した後であればすぐ歯磨きをしても大きなトラブルにはならないと思います。
お口の中の悩みがありましたら、習志野市、津田沼、藤崎、ながの歯科までご相談ください。